1月から中国の大学は春節(旧暦の正月)を含む長〜〜い冬休みに入ったので、極寒の杭州を脱出して中国の南西部、雲南省を旅行してきました。

雲南省はベトナムやラオスに接していて、チベットにも近いところ。漢民族の文化とは違った少数民族の文化が見られるということで一度行ってみたいと思っていました。
杭州から飛行機で昆明へ、昆明からは長距離バスで大理→麗江と移動しながら全部で2週間くらいの旅でした。

石林まずは昆明からさらにバスで一時間くらいのところにある石林風景区へ。
数億年前には海の底だったという奇観!実際に見ていても遠近感が分からなくなるような不思議な景色でした。

石林2

石林3下を歩くと、岩の間の道が迷路のように入り組んでいます。もとは海底だった石灰岩の層が隆起して、さらに雨や風によって浸食されて今の形になったらしいです。
ということは今自分が立っている空間が水や風の通り道ということで、その形の複雑さに思わず見入ってしまいました。
石林4
奇景の隣では少数民族のおばあちゃんたちが踊りの練習中でした。ここに住む人たちにとってはこの景色も日常。

西塔市場昆明市内では博物館やお寺を見て回りましたが、写真は市内の西塔前の市場。市場はどこの国に行っても楽しいですが、なんとここでは、、
膠にかわ(食用)を発見。杭州でも漢方薬局で売っているのは見かけますがこんなお菓子感覚で売っているのは初めて見ました。。。素揚げにしてスナックみたいに食べるそうです。香ばしくてパリパリして意外とおいしかったです。

大理バス

町と町の間の移動は長距離バスが便利でした。高速バスで大理へ移動。

dali7城壁に囲まれた大理の旧市街、古城地区です。都会の昆明とは全く違う雰囲気。
大理はその昔ミャンマーやインド、四川などからの交通の要所だったらしく、千年前から商業貿易で栄えていたとか。ペー(白)族と呼ばれる人たちが暮らしています。

dali5ここは大理でお世話になったホテル。古城の中はこういうレストラン付きの小さい民宿みたいな施設がたくさんあって、古城の中をぶらぶらするにはとても便利です。
dali4

市場の入り口。大理は良い景色がたくさんあって、今回行った中では一番好きな町でした。とくに良かったのが大理郊外(車で3時間くらい)にある石宝山風景区というところです。

shibaoshanここ、標高3000mくらいある山の上に点々と唐代から北宋くらいにかけての石窟、石仏、壁画などが点在しています。仏像はいかにも唐代という感じの温和な表情のものからペー族の神像などもあって、かなりおもしろかったです。南の敦煌とも呼ばれているとか。全部合わせると100体以上の仏像があるらしいのですが時間がなくて全部見きれなかったのが残念、、、また来たいです。

壁画と言えば、麗江の近くにもいくつか素晴らしい仏教壁画がありました。壁画は重点文物に指定されていて撮影禁止なので外観だけですが。。

大覚宮

ひとつは麗江古城からも近い束河古鎮という旧市街の中にある茶馬古道博物館内、大覚宮壁画です。明代の建築である大覚宮の東壁、西壁にかなり大きな仏会図がそのまま遺されていて、壁画にしては図像もはっきり見えて、きれいでした。

baisha baisha2

もう1つは麗江古城地区からバスを乗り継いで行った白沙壁画です。上の写真は壁画の複製品(プリント)ですが、幅5m近くある巨大壁画が、実際にお堂の中にあって、自然光でほのかに照らされた姿は本当に美しくて、感激しました。

上の如来図は正面の壁で、左右にも孔雀明王などを中心とした似たような画風の壁画がぐるりと壁面を覆っていて、まるで仏や羅漢や飛天に囲まれているような感覚。仏教、チベット仏教、道教の図像が混在しているそうです。画家もそれぞれの民族が参加しているためチベット族やナシ族などの技法が取り入れられているそうで、内容もおもしろいです。自分が仏画を描いた時の経験を思い出すと、とにかくすごい仕事量です。

白沙はこの壁画を見るためだけに来る価値ありですが、壁画の周りの街並ものんびりしていて良いところでした。というのも麗江は世界遺産に登録されている古城地区もかなり観光客向けに商業化されていて、テーマパークのような印象。その分観光客が気軽に足を運べる面もありますがちょっと残念にも感じました。下の写真は白沙のナシ族のおばあちゃん。こののどかな感じが10年後にも遺ってるといいなと思いつつ。

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今回の旅行はあまり下調べもせずに行ったものの、いつの間にか古美術研究旅行のようになってしまいました。行く前は雲南省は少数民族の住む秘境、というようなイメージでしたが、石窟や壁画を見た時に、見たことの無い風景の中に自分が日本で研究していた仏画と似たような造形がたくさんあって、自分が今使っているのと同じような絵具で描かれていたりするのを見ると、文化のつながりといった一言では言い表せない、ちょっと背筋がぞくっとするような感覚を覚えました。また長い休みに入ったら他の地域も見に行きたいです。

雲南旅行記