杭州に来てからちょうど1ヶ月が過ぎました。新しい場所での生活や大学の手続き、ビザの申請などなど、、毎日てんやわんやであっという間に1ヶ月過ぎてしまいました。
今週は国慶節で大学が一週間休みです。その前にも9月の20日前後に中秋節で3連休があり、中国は連休続きでした。

こちらに来た一番の目的である中国画の授業も始まって3週間くらいたったのですが、日本にいた時に勉強したいと思っていた中国画の筆法や書に触れながら、とにかく毎日新しい展開があるので、本当〜〜に楽しいです。勉強が追いつかないこともしばしばありますが、先生や同級生に助けてもらいつつなんとかやっています。

これが大学のアトリエ。

アトリエ1

手前が私の席です。私は研究生(大学院)のクラスに入ったので一人のスペースが割と広めです。自然光が入って気持ちの良いアトリエです。

中国画科は専攻が山水、花鳥、人物という風に画題によって分かれていて(これも最初に知ったときは衝撃的でしたが、、)私が在籍している花鳥画のコースは大学院になるとさらに工筆画と写意画に分かれています。学生は学部の段階で専攻に分かれますが、学部の時は写生、工筆、写意、模写や書など一通りの基本を学び、大学院でさらに専門に分かれて自分の創作に入って行きます。

工筆画というのは

工筆

写生を基本とした描法で白描で形をとって薄塗りの彩色で仕上げます。下図を作って段階をふまえて仕上げていくところや彩色の仕方も日本画に共通するところが多くあります。

それに対して写意画の方は、

呉昌碩

日本で言ういわゆる水墨画のイメージに近い気がします。写意も写生を基本にしますが、対象の特徴をより抽象化して、筆跡のバリエーションで一気に描きます。一見無秩序なようですが、こんなふうに筆を走らせるのは相当な量の写生と修練と、絵だけではなく書の技術も必要です。私の今回の留学の目的はこのような筆法を学ぶことなので、写意画のコースに在籍しています。

とはいっても中国画に関して初心者なので、まずは基本の「梅蘭竹菊」から。

アトリエ2

先生や同級生が墨でさらさら〜と描いて見せてくれるので、まずはそれを真似してみるのですが、、、全く思うようにいきません!紙も墨も筆も使い慣れているはずなのに、この三者の関係性が日本画とはまるで違います。
墨が紙にしみ込むスピードと筆の動き、向き、水分の量など、同級生の筆さばきを見ているとこれらのコントロールを瞬時にしているようです。その上で絵の構造、構図を決めるので頭で考えていたらできません。どちらかというと「体得するもの」だと思いました。
というわけで、

アトリエ7

良い線が引けるまでひたすら梅の枝を描いたり、、、

アトリエ4

蘭の花を描いたり。制作というよりも素振り??なぜ最初に梅蘭竹菊を学ぶかというと、その中に筆法のバリエーションが色々と詰まっているからだそうです。私にしてみれば今までの自分の画面に対するアプローチとのギャップはかなりのものです。うまくいってもいかなくてもとにかくどんどん描きます。するとだんだん感覚の幅が狭まってくるというか、良い動きと悪い動きの標準がだんだん絞れてくるようです。

アトリエ10言葉の壁もやはりあります。特に線の様態を表す言葉が多様でこれは辞書にも載っていないので、、、その都度同級生に聞いて理解するようにしていますが、とても丁寧に教えてくれるので有り難いです。

漢字で書いてもらうと何となくニュアンスが伝わります。最初、何から手を付けてよいか分からなくて混乱している時に同級生がこの中国美術学院の写意画教育の順序をノートに書いて教えてくれました。

アトリエ11

白描写生から工筆画の模写を経て小写意、没骨、大写意に至る流れがあって、それぞれの段階で参考とする対象がはっきりしています。特に大写意では呉昌碩の運筆をかなり重視しています。技法伝承の脈絡をはっきりさせてそれが自分の直接の指導教官につながっているのだ、という意識が程度の差はあれ学生の間にもあります。

アトリエ9

そんな素振り中(?)の私の隣で同級生は大学院の最終学年なので、大作をばんばん描いています。
基本的に生の宣紙に描くので描写はほぼ一発決めです。100号くらいの作品を1週間か場合によっては2、3日くらいでどんどん描きます。これを見ているだけでも私にとってはとても勉強になります。

アトリエ5時々先生が筆を取って描くのをみんなで見たり、

アトリエ6

少林寺のお坊さんが来てお話しして下さるのを聞いたりすることも。

中国語の授業もあるので毎日くたくたに疲れますが、得るものも多いです。今はまだ取捨選択するというよりもひたすら吸収しています。情報量が多すぎてちょっと消化不良気味ですが、少しずつ身になっていけば良いなと思います。

中国画の授業